【2022年度版】専門実践教育訓練給付金を利用して資格を取ろう!(1級FP技能士監修)

教育訓練給付制度とは厚生労働省がキャリアアップのための教育訓練に対し、費用の一部を支給してくれる制度です。教育訓練給付制度は「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3種類ありますが、中でも「専門実践教育訓練」はその支給率が最大70%と最も高く、資格を取得してキャリアップを図りたい方にとってはものすごくお得な制度です。

専門実践教育訓練給付金とは?

教育訓練給付制度とは厚生労働省がキャリアアップのための教育訓練に対し、費用の一部を支給してくれる制度です。教育訓練給付制度はその訓練のレベル等に応じて「専門実践教育訓練」「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3種類あります。「専門実践教育訓練」はその中でも仕事に直結する訓練であり、最大で受講費用の70%、年間上限56万円、最長4年間、累計最大224万円が支給されます。
資格を取得してキャリアップを図りたい方にとってはものすごくお得な制度です。

対象講座の例

①業務独占資格などの取得を目標とする講座
・介護福祉士、社会福祉士、看護師、美容師、歯科衛生士、保育士、調理師、栄養士、柔道整復師、キャリアコンサルタント

②デジタル関係の講座
・ITSSレベル3以上のIT関係資格取得講座
・第四次産業革命スキル習得講座(経済産業大臣認定)

③大学院・大学などの課程
・専門職大学院の課程(MBA、法科大学院、教職大学院 など)(中小企業診断士養成講座)
・職業実践力育成プログラム(文部科学大臣認定) など

④専門学校の課程
・職業実践専門課程(文部科学大臣認定)(税理士、公認会計士)
・キャリア形成促進プログラム(文部科学大臣認定)

受給条件は?

雇用保険の加入期間が条件となります。パート、アルバイト、派遣労働の方も対象になりますが、雇用保険に入っていることが必要です。雇用保険の基本的な加入条件は①最低31日以上働く見込みがあること②1週間当たり20時間以上③学生でないこと。(通信教育・夜間・定時制は除く)なので昼間の学生さんは原則的には対象外となります。
専門実践訓練給付金との対象となるのは
①受講開始時点で雇用保険に加入している在職者もしくは離職してから1年以内の方
②雇用保険の加入期間が2年以上ある方
①②の両方を満たす方が対象となります。
また、過去教育訓練給付を受けたことがある方は前回支給日から3年以上経過していることが必要です。

給付金額は?

  1. 教育訓練経費の50%に相当する額となります。ただし、その額が1年間で40万円を超える場合の支給額は40万円(訓練期間は最大で3年間となるため、最大で120万円が上限)となります。専門実践教育訓練の受講を修了した後、あらかじめ定められた資格等を取得し、受講修了日の翌日から1年以内に被保険者として雇用された方又はすでに雇用されている方に対しては、教育訓練経費の20%に相当する額が追加して支給されます。
  2. この場合、すでに給付された(1)の訓練経費の50%と追加給付20%を合わせた70%に相当する額が支給されることとなりますが、年間56万円、最長4年で最大224万円が上限となります。

講座の受講と給付のプロセス

専門実践教育訓練給付金のプロセスは下記の通りとなります。

①受講講座の決定

厚生労働省の教育訓練給付制度検索システムより受講したい講座を検索、決定します。

②ハローワークでキャリアコンサルタントのコンサルを受けジョブ・カードの交付を受けます。

キャリコンに対し、なぜ〇〇の口座を受講するのか、受講したあと資格を活かし、どのような職に付きたいかを相談します。

③ハローワークに対する受講前の手続き

原則受講開始の1ヶ月前までに下記の書類をハローワークに提出する必要がありますが、受講開始が直前の場合等については柔軟な対応をしてもらえるかもしれないので、1ヶ月前を経過してても、相談してみましょう。

【提出書類】

  1. 教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格確認票
  2. 上記のジョブ・カード(訓練前キャリアコンサルティングでの発行から1年以内のもの)
  3. 本人・住居所確認書類及び個人番号(マイナンバー)確認書類(詳しくはこちら新規ウインドウで開きます
  4. 写真2枚(最近の写真、正面上半身、縦3.0cm×横2.5cm) 。
  5. 払渡希望金融機関の通帳またはキャッシュカード
  6. 専門実践教育訓練給付及び特定一般教育訓練給付再受給時報告(過去に専門実践教育訓練給付及び特定一般教育訓練給付を受給したことがある場合に必要です。)

④ 支給申請

受講修了後もしくは受講開始後6ヶ月経過後の翌月1日以降に、ハローワークに対して、下記の書類を提出します。

  1. 教育訓練給付金の受給資格者証(教育訓練給付金及び教育訓練支援給付金受給資格者証)
  2. 教育訓練給付金支給申請書
  3. 受講証明書又は専門実践教育訓練修了証明書
  4. 領収書
  5. 返還金明細書
  6. 資格取得等したことにより支給申請する場合は、資格取得等を証明する書類
  7. 専門実践教育訓練給付最終受給時報告
  8. 専門実践教育訓練給付追加給付申請時報告(専門実践教育訓練修了後、資格取得等したことにより支給申請した場合に必要です)

○支給申請期間

  1. 専門実践教育訓練を受講中は、受講開始日から6か月ごとの期間(支給単位期間)の末日の翌日から起算して1か月以内が支給申請期間になります。
  2. 専門実践教育訓練を受講修了したときは、受講修了日の翌日から起算して1か月以内が支給申請期間になります。
  3. 専門実践教育訓練受講修了後、受講した専門実践教育訓練が目標としている資格取得等し、かつ修了した日の翌日から1年以内に被保険者として雇用された場合に追加給付を受けるための支給申請期間は次の期間です。
    専門実践教育訓練を修了し、資格取得等し、かつ、被保険者として雇用された日の翌日から起算して1か月以内(被保険者として雇用されている方は、専門実践教育訓練を修了し、かつ、資格取得等した日の翌日から1か月以内)。

失業中の方をさらに支援する教育訓練「支給」給付金

失業中の方が専門実践教育訓練を受ける場合で、既に失業給付の基本手当の受給期間が経過しているとき、訓練を受講を支援するため、受講期間中失業給付の基本手当の80%が支給される制度です。要件は下記の通りです。45歳以上の方にとっては少し残念な制度です。

・一般被保険者でなくなって(離職日の翌日)から1年以内に専門実践教育訓練を開始する方であって、専門実践教育訓練給付金の受給資格があること。
・専門実践教育訓練を修了する見込みがあること。
・専門実践教育訓練の受講開始時に45歳未満であること。
・受講する専門実践教育訓練が通信制または夜間制でないこと。
・教育訓練支援給付金の受給資格確認時において一般被保険者ではないこと(離職していること)。また、一般被保険者ではなくなった後、短期雇用特例被保険者または日雇労働被保険者になっていないこと。
・会社などの役員に就任していないこと(活動や報酬がない場合はハローワークでご確認ください)。
・自治体の長に就任していないこと。
・今回の専門実践教育訓練の受講開始日前に教育訓練支援給付金を受けたことがないこと。
・教育訓練給付金を受けたことがないこと(ただし、平成26年10月1日前に教育訓練給付金を受けことがある場合は例外あり)。
・専門実践教育訓練の受講開始日が令和4年3月31日以前であること。

専門実践教育訓練給付金にかかる留意点

専門実践教育訓練給付金は取り扱い業者が講座指定にかかる申請を行い、厚生労働省が認可することにより、対象講座となります。ですので、同じような内容の講座であっても対象講座となっているものとなっていないものがあります。例えば、キャリアコンサルタントの講座でも、対象講座をなっているものもあれば、対象講座となっていないものもあるため、ご自身が受講したい講座が本制度の対象講座となっているか否かを厚生労働省の教育訓練給付制度検索システムより確認する必要があります。

まとめ

専門実践教育訓練給付金はキャリアアップのための資格取得に際し、最大224万円が支給される極めて強力な制度です。特に45歳以下の方で教育訓練支給給付金の対象にもなる方であれば、この制度を使って、長期間の学び直しを安心して行う事ができます。人生100年時代、最後に必要となるのは個人として汎用的に使えるスキルです。ぜひこの制度を活用してスキルアップを図ることを検討されてはいかがでしょうか?

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