FP一級実技試験ノート② 顧客ニーズの把握と対応策

 こんにちは。お金の総合コンサルししまるです。今日はFP1級実技対策第2回。相続・事業承継分野にかかる「顧客ニーズおよび問題点の把握」についてのまとめです。
FP一級学科は本当に幅広い分野の知識が問われますが、FP一級実技に関しては、相続・事業承継分野、不動産分野における典型的な相談事例につき深い知識が問われます。
 設例を読み、①クライアントの相談内容および検討すべき問題点②問題点を解決するための提案およびその理由③FPの職業倫理④設例に関し、特に注意すべきと考える倫理項目およびその理由。につき解答を求められます。

今回は相続・事業承継分野における「顧客ニーズおよび問題点の把握」およびその対応策につき言及すべき事項をパターン化し、まとめてみました。

共通する顧客ニーズおよび問題点

 相続・事業承継分野における典型的な出題例は、①被相続人は中小企業のオーナー社長であり、経営する企業の持ち株の評価額が高い。②事業を承継する後継者以外にも相続人がいる。(兄弟等)③相続対策なしで相続開始となった場合、相続される現預金では納税資金は不足する。というものです。このようなケースにおいて共通する顧客ニーズおよび問題点は下記4点の集約されます。

・円滑な事業承継(後継者への株式移転)
・円滑な遺産分割
・納税資金の確保
・相続税額の軽減対策

円滑な事業承継のための対応策

 後継者が安定的な経営権を確保するためには、少なくとも過半数、出来れば株主総会の特別決議に必要な3分の2の株式を確保することが望まれます。
経営者への株式移転には下記の方法があります。

事業承継税制の特例の活用
生前贈与(暦年課税制度と相続時精算課税制度
遺言による遺贈
・売買

円滑な遺産分割のための対応策

 相続前に相続人全員の関係が円満でも、相続開始後にトラブルになるケースは実務上よくあることです。対応策としては遺言書の作成があげられます。
 遺言書の作成に関しては遺留分に留意すること、中小企業オーナーのケースにおいては「遺留分に関する民法の特例」の活用の検討もポイントとなります。

納税資金の確保

 中小企業オーナーの場合の納税資金の確保は法人の資金をどのように個人に還流するかがポイントとなります。主な資金還流方法は下記の通りです。
・役員退職金
・役員貸付金の回収
・法人宛て賃貸土地の法人宛て売却
・金庫株活用による法人宛て株式売却

相続税額の軽減対策

中小企業オーナーにおける主な相続税額の軽減対策は下記の通りです。
・株価対策による自社株評価の引き下げ
小規模宅地等の評価減の活用
生命保険の活用
養子縁組による法定相続人数の積み増し
教育資金の一括贈与の活用
結婚・子育て資金の一括贈与
住宅取得等資金の贈与の活用

まとめ

 設例によっては別途個別の論点も問われることになりますが、被相続人が中小企業オーナーのケースにおいては、上記ポイントは共通の論点となるものです。
 各対応策の詳細なポイントにつきましては、別途解説いたします。

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