FP1級実技試験面接 再現録(2)

こんにちは。中小企業診断士☓1級FP技能士のししまるです。本日はFP1級実技試験の面接の再現録(2)相続分野です。
不動産分野の再現録はこちらのリンクをご参照ください。

試験問題

私の受験日は2021年6月6日でPARTⅡ⇒PARTⅠの順での受験でした。今回はPARTⅠ 相続分野です。
実際の受験問題はこちら。こちらも、過去あまりないパターンの問題でしたが、中小企業の事業承継、M&Aについては実務での経験があったので比較的回答が容易だと、初見で思いました。


面接再現録

(ししまる)ししまると申します。本日はよろしくおねがいいたします。
(面接官)よろしくおねがいします。早速ですが、本件は事業承継に関する相談ですが、事業承継において検討が必要なポイントについて教えて下さい。
(ししまる)はい。事業承継における検討事項は大きくは2つあります。
Ⅰつが、後継経営者をどうするかという問題で、もう一つは株式をどのように移転するかという問題です。
後継者問題につき、本件の場合、Aさんにとって最も望ましいのは長男を後継者とすることですが、長男にその意思がなく、その他親族にも適任者がいないのであれば、社内での昇格、例えばF部長が候補となります。但し、F部長自身の意向の確認の必要があり、社内で適任者がいない場合は社外より後継者を採用することも検討が必要です。いずれにしろ、後継者を定めた上で、後継者としての教育、引き継ぎ等計画的な後継者への経営権の移譲が必要です。
株式移転問題についても、後継者問題ともリンクしますが、①親族間での贈与、相続②社内登用の場合の新社長、新役員への譲渡この場合はMBOとなります。③M&Aによる第三者宛譲渡等が考えられます。いずれの方法を取るにしろ、Aさんのご希望をもとに、株価対策を取る必要があり、計画的な株式移転が必要です。
(面接官)現在の相続税株価算定方法を教えて下さい。
(ししまる)中会社の大に該当しますので、類似業種比準価格☓0.9+純資産価格☓0.1により計算した価格となります。
(面接官)仮に後継者を長男とした場合、どのように株式を移転すべきか教えて下さい。
(ししまる)後継者が2/3以上の株式を取得することが安定した経営権の確保に繋がります。時価総額が大きく、単純な譲渡相続では、多額の贈与税・相続税の発生が考えられるので、事業承継税制の特例を活用すべきと考えます。
(面接官)事業承継税制の特例のメリットとデメリットを教えて下さい。
(ししまる)メリットは一定の要件を満たすことで、株式贈与、相続にかかる税金の全額が猶予されることです。デメリットは手続きが煩雑なことと、M&Aにより株式を売却する場合には猶予された税金を全額納付する必要があることです。
(面接官)事業承継税制の特例はBさん(Aさんの妻)の株式にも適用できますが?
(ししまる)Bさんの株式にも適用可能です。
(面接官)DさんEさんの株式はどうですか?
(ししまる)DさんEさんの株式についても適用可能ですが、DさんEさんは第三者なので、個人間売買もしくは会社による金庫株により取得するのが現実的だと思います。
(面接官)FPの職業倫理について教えてください。
(ししまる)はい。FPの職業倫理として①顧客第一主義②守秘義務③顧客に対する説明義務④コンプライアンスの徹底⑤インフォームドコンセプト⑥能力の開発が挙げられます。
(面接官)そのうちで最も大切に思うものは何ですか?
(ししまる)コンプライアンスの徹底がすべての根本と思っています。

面談後の所見

不動産分野と違い、こちらはだいたいうまく回答できたのではないかと思います。一番のテーマだったと思われる事業承継税制の特例については学習していたので、ある程度自身を持って回答できました。感触的には8割位は取れたのではないかと思いました。

ししまるの結果の開示

ししまるのFP実技試験の結果です。
200点中139点で合格。
分野別には 顧客の問題点の把握 40点中30点
      問題解決策の検討分析60点中43点
      顧客の側に立った対応60点中40点
      FP倫理と法令遵守  40点中26点
FP倫理と法令遵守については特にミスしたとも思わなかったのですが、低い点数でした。
PARTⅠ(相続分野)とPARTⅡ(不動産分野)の得点区分等は不明ですが、感触的には相続分野80点不動産分野60点計140点だったので、合計点としてはほぼ感触通りの結果でした。

まとめ

FP1級実技試験は情報が少なく、どんな対策を取ればよいのかわかりにくい試験です。ですが、基本的には落とすための試験ではないので、過去の試験情報をしっかり確認すれば、難易度自体は高くないと思います。出題により、運の要素はありますが、わからない問題でも、面接官とコミュニケーションをしっかり取ることがポイントとなります。この記事が少しでも受験生のみなさまのお役に立てれば幸いです。
 事業承継税制およびFPの職業倫理につきましては下記記事をご参照ください。
FP一級実技試験ノート① FPの職業倫理

FP実技試験ノート⑥法人版事業承継税制の特例について

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