【2021年度版】退職金定期預金おすすめの銀行3選!(1級FP監修)

 長年働いた成果としての退職金。まとまった金額を受け取る機会の中では、相続と並び、人生で最大の額となる人も多いのではないでしょうか?多額の現金を受け取ると、一方でどのように運用したらよいか多くの人が迷うこととなります。投資も考えているが、とりあえずは定期預金で様子を見たいと考える人も多いのではないでしょうか。そういった方のためにおすすめの退職金定期の預け先を選んでみました。

退職金運用で考えるべきこととは?

 退職金運用で先ず考えるべきことは退職金運用の目的です。何に使うお金なのか?いつ、どのくらい必要なのか?又いま何歳で、何歳まで働く予定なのか?ライフプラン、マネープランは?誰もがまとまった資金があり、当面使う予定がなければ、なにか運用しなければと思ってしまいますが、高い利回りを求めると、そこには高いリスクが伴いますので、まずはこの退職金は何に使うべきお金かしっかりと見極める事が必要です。
 多くの方にとって退職金は老後の生活資金を補填するものだと思います。その場合、先ず考えるべきことは高い安全性と流動性です。元本割れせず、使いたいときにいつでも引き出せることが最も重要ではないでしょうか?
 一方、老後の資金はある程度確保済みで、余裕資金としてより積極的に運用したいと思う方も、おられると思います。投資経験が豊富な方であれば、自身の経験と、スキルの応じた運用を行えばよいですが、投資経験が乏しい方が大半ではないでしょうか?
 投資初心者の方にお伝えしたい、投資の鉄則は2つの「分散」です。
 1つ目の分散は投資対象の分散。投資対象は株式、リート、債券、保険、不動産等々多岐にわたります。株式だけをとっても、国内株もあれば、海外株もあります。また、成長株もあれば、バリュー株もあります。それそれに、リスクとリターンがあり、いろいろな要因により変動します。利回りを求める一方で、リスクを低減するためには、投資対象を投資目的と目標とするパフォーマンスにより、分散することが鉄則です。
 2つ目は分散は時間的分散です。株式にしろ、リートにしろ相場は変動します。一方、その相場が今、割高なのか、割安なのかを見極めることは、極めて困難な行為です。そのために行うべきことは投資対象の分散とともに時間的な分散です。仮に退職金の中から1000万を投資に回す場合、同じ時期に1000万を投資することはかなりリスクが高い行為です。特に投資初心者の方にとって、相場が下がり損が発生した場合、どこまで精神的に耐えれるかがポイントとなります。過去リーマンショックや、コロナショックで株式相場は短期間で30〜50%下落しました。多くの方にとって、短期間で100万を超える損を経験することは精神的なダメージが大きいのではないでしょうか?それを避けるためにも、投資対象を分散するだけでなく、投資時期も分散すべきです。
 例えば1000万投資を行うのであれば、毎年200万投資を5年間行うぐらいの分散を行っても良いかもしれません。また、毎年200万であれば、毎月20万弱づつ投資する等の分散も有効です。時間的な分散は投資対象の分散以上にリスクを低減する上では重要です。

で、どうすればいいの?

 退職金を、安全に運用したい方も、積極的に運用したい方も、第一に考えるべきことは定期預金での運用です。安全に運用したい方は、ずっと定期預金のままで良いと思います。積極的に運用したい方も、どこに投資をするか決定するまでの間、又時間的な分散投資を行うまでの待機期間の間は定期預金で運用するのがベストの選択です。
 では定期預金で運用するとして、次はどの金融機関を選ぶかが問題となります。
 元本保証であれば、より高い利回りを目指すのが合理的です。万が一の金融機関が倒産するケースを想定される方は1金融機関あたり1000万に分散することが必要ですが、2021年9月現在日本の金融システムは安定しており、一般的な銀行、信用金庫であれば、先ずは安心して預けて大丈夫だと思います。
 但し、今は低金利が続いており、メガバンクの一般的な定期預金金利は0.002%。仮に1000万を1年間運用しても運用益は税引き後で159円と手続きを行うのが馬鹿らしい金額です。
 ですが、退職金に対応した退職金定期預金は多くの銀行で優遇金利の適用があり、当初の3ヶ月限定ですが、最高1%程度で運用可能です。1000万を3ヶ月1%で運用できた場合の税引き後利息額は19,649円であり、これなら手続きを行う価値はあるのではないでしょうか?

抱き合わせ販売にご注意!

 現在各銀行が販売に力を入れているのが、退職金定期と投資信託の組み合わせ(抱合せ)販売です。例えば三井住友信託銀行の退職金キャンペーンは下記の内容となっています。
◎投資運用コース
運用50タイプ
・投資信託対象商品50%以上
・スーパー定期50%以下 3ヶ月 利率7%
運用20タイプ
・投資信託対象商品20%以上
・スーパー定期80%以下 3ヶ月 利率2.4%

 一見非常に魅力的なキャンペーンに見えます。
 仮に1000万を運用50タイプとした場合で定期預金を500万とすると3ヶ月間の税引き後利息は68,770円。
 運用20タイプで定期預金を800万とすると3ヶ月間の税引き後利息は37,725円となります。
 ここで注意しないといけないのが、抱合せの投資信託商品。三井住友信託銀行のHPでは対象となる投資信託に付き下記注意書きがなされています。

投資信託について

  • 対象外となる投資信託がございます(詳しくは窓口までお問い合わせください)。また、投資信託を無手数料でご購入された場合(償還乗換優遇制度やスイッチングのご利用を含みます)やテレフォンバンキング・インターネットバンキングで投資信託をご購入いただく場合も対象外となります。

対象となる具体的な投資信託はWEBでは確認できませんが、販売手数料が無料の商品は対象にならないと思われます。

 ちなみに、三井住友信託銀行の投資信託の中で、現在人気NO1は「世界経済インデックスファンド 4 ピクテ・マルチアセット・アロケーション・ファンド(愛称:クアトロ)」こちらの販売手数料料率は1.65% 信託報酬は1.11275%。こちらの商品が抱き合わせの対象か否かはわかりませんが、この商品を500万購入した場合の販売時点での手数料は82,500円。年間信託報酬は55,635円です。
 結局、定期預金部分の利息以上の手数料支払いを行う設計となっています。
 そもそも、退職金をを投資信託で運用しようと思っていた方には良い商品ですが、そうではない方にとっては、ちょっと注意しないといけない商品構成となっています。
 以上のことから、まず検討すべきは抱き合わせなしの定期預金のみでの高利回り運用。以下その前提でおすすめの銀行をご紹介します。

退職金定期おすすめ3選(首都圏)

順位銀行名期間利率土日対応おすすめのポイント
大和ネクスト銀行3ヶ月年1.0%自分名義の口座なら振込手数料が何回で無料
2三井住友信託銀行3ヶ月年0.8%土日営業(要予約)
三菱UFJ信託銀行3ヶ月年0.8%

 2021年9月現在の退職金定期預金で最もおすすめなのは大和ネクスト銀行です。但し、大和証券の「ダイワ・コンサルテヒング」コースの口座開設が必要となりますので、大和証券の担当者から、いろいろな資産運用のセールスを受けることとなります。
 証券会社の担当者よりいろいろな情報を得られることをメリットとして捉えられる方は良いのですが、投資初心者の方にとっては、セールスを受けることによりリスク商品に出してしまうリスクもあrisますので注意が必要です。
 次のおすすめは三井住友信託銀行。退職後、再就職している方にとって土日に営業していることは大きなメリットです。

まとめ

 少し前までは各銀行は、預金残高の積み上げ等のため退職金の獲得で競争していました。そのときは高金利の銀行を3ヶ月毎に移動するジプシー的行動が有効でした。マイナス金利導入後、各銀行は預金の獲得にはそれほど力を入れてはおらず、良い金利の提示は大幅に減りました。
 現在、各銀行の興味は「投資信託」「外貨預金」「保険商品」の販売による手数料収益であり、退職金定期での高金利はそのための餌巻き的役割となっています。
 表面的な餌に惑わされ、高いリスクを負う商品を内容を十分把握することがないまま購入しないように十分ご注意ください。
退職金運用にかかる個別のご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせよりご相談ください。無料でご相談にご回答いたします。

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