FP一級実技試験ノート③不動産分野 

 こんにちは中小企業診断士のししまるです。今日はFP1級実技対策第3回。不動産分野についてのまとめです。
 FP1級実技試験の不動産分野については①クライアントのニーズと問題点の把握の為ⅰ)追加でヒアリングすることⅱ)自分で調査すべき事項②現在クライアントが検討中の提案に対する解説、注意点の説明③クライアントに対する問題解決策の提案④関連業法、関連士業との関係、につき解答を求められます。
今回は過去の事例より共通、頻出の事項につきパターン化しまとめてみました。

顧客ニーズと問題点の把握の為の追加ヒアリング事項

 顧客ニーズ把握の、追加ヒアリングのポイントは下記のとおりです。
①クライアントのライフプランに関する情報
・生活費はどの程度必要か
・どこに住みたいか、将来的に老人ホームへの入居希望はあるか
・不動産を売却する意向はあるか
・不動産を収益化する意向はあるか
・収益化する場合、どのぐらいの純収益、利回りを希望しているか
・不動産投資に関する知識や経験はどれくらいか
・多額の不動産投資を行うことへの不安はないか
・不動産に関する提案につき相続人の意見を聞く必要はないか
・購入資金は自己資金か、銀行借り入れか
・不動産事業の法人化の希望はあるか
・資産管理を自分で行いたいか、他の人に任せたいか
生前贈与を行う場合、どの位の金額を考えているか
・財産をだれに相続したいか、家族構成は
・相続税対策は必要か
②不動産に関する情報
・取得の経緯、価格は
・権利関係は
・地積は実測面積か、隣地境界は査定されているか
・賃貸物件の契約内容、修繕履歴、近隣相場は
・建物建設時の関係資料(確認通知書、設計図面等)は保存しているか

FPが自ら調べるべき情報

 FPが自ら調べるべき情報は下記の通りです。
・現地確認~隣地境界の確認、近隣地域の状況
・権利確認~(法務局)登記事項証明書、公図、地積測量図等により所有権、抵当権等を確認する
・利用規制確認~(市町村役場)法令上の制限を確認する
・市場価格の確認~近隣不動産業者に対するヒアリング、近隣公示値、基準値、路線価を確認する
・有効活用時の税務~税理士に確認する
・価格の査定、価格の妥当性の検証
・税法上の特例の要件確認
・賃貸借契約内容の確認

頻出の論点

最近の過去問における頻出のテーマは下記の通りです。
(建築に関するもの)
・建蔽率、容積率
・道路斜線制限の緩和
・特定道路による容積率制限の緩和措置
(不動産管理に関するもの)
民事信託(家族信託
・成年後見制度
・不動産事業の法人化
不動産譲渡所得に関するもの
不動産譲渡所得の計算
・住居用財産譲渡の際の3000万の特別控除
・長期譲渡所得の軽減税率の特例
・特定住居財産の買換え特例
・特定の事業用資産の買換え特例
・住居用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除
・特定住居財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除
・立体買換えの特例
・固定資産の交換の特例
・収容の際の「5000万円特別控除」と「代替資産を取得した場合の特例」
(不動産贈与・相続税に関するもの)
住宅取得等資金贈与にかかる非課税制度
小規模宅地等の評価減
タワーマンション
遺言
(収益不動産スキームに関するもの)
・建設協力金方式
・事業用借地権方式
・等価交換方式
・サブリース契約
・前払地代方式
・立ち退き交渉
・定期借家契約
(その他)
・リバースモーゲージ

関連業法との関係

 不動産にかかる各種業務については法で定める独占業務への該当有無に留意の上、業法への抵触に十分な注意が必要です。不動産にかかる各種専門家とその独占業務の内容は下記の通りです。
・建築士~建物の設計、工事監督
・不動産鑑定士~不動産の鑑定評価
・土地家屋調査士~不動産の「表示に関する登記」
・司法書士~不動産の「権利に関する登記」
・税理士~税務相談
・弁護士~法律・契約相談
・宅建士~不動産売買契約、賃貸契約

FPにできることは

 不動産にまつわる各種業務については色々な業法上の独占業務があり、それに抵触しないように十分な注意が必要です。FPの特徴はお金に関する広範な知識を保有していることであり、他の法定資格者とのコーディネート役が期待されます。個別具体的な税務相談は税理士の独占業務ですが、一般的な税法の説明はFPでも行うことができます。
 クライアントのニーズを大局から把握し、ニーズに対する解決策の選択肢を分かり易く伝えることがFPには必要です。

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